金融再生法開示債権
「金融再生法」という法律では、金融機関は貸出金などの債権を分類して開示することが義務付けられています。簡単に言うと、「不良債権」がどのくらいあるかを示すものです。
債務者区分は先ごとに表示するのに対して、金融再生法開示債権は債権ごとに表示します。
金融機関は融資をする際に、その融資金が金融再生法開示債権の開示対象とならない債権(正常債権)となる、「正常先」「その他要注意先」を主に融資対象先とします。

financials金融再生法開示債権

「債務者区分」と「分類債権」は、金融機関は開示をする義務はありませんので、公表している金融機関は少ないのが現状です。
しかし、「金融再生法開示債権」は、債権を法律で開示することが義務付けられていますので、ここからおおよその「債務者区分」と「分類債権」の構成を知ることができます。


「金融再生法」という法律では、金融機関は貸出金などの債権を分類して開示することが義務付けられています。簡単に言うと、「不良債権」がどのくらいあるかを示すものです。
債務者区分は先ごとに表示するのに対して、金融再生法開示債権は債権ごとに表示します。

「金融再生法開示債権」の内訳
「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」(経営破綻に陥っている、または実質的に破綻している債務者に対する債権)
「危険債権」(経営破綻に至っていないものの、財政状態及び営業成績が悪化し債権の元本の回収及び利息の受取りができない可能性の高い債権)
「要管理債権」(3ヶ月以上延滞債権及び貸出条件緩和債権)
〇「正常債権」
このうち、「正常債権」以外の3つを「金融再生法開示債権」といいます。

各金融機関の「金融再生法開示債権」=「不良債権比率」は、金融庁が発表していますので参照してください。(低い金融機関でおおよそ1%、高い金融機関でおおよそ6%前後)


自己査定の債務者区分と金融再生法開示債権の関係は次のとおりとなります。


<自己査定の債務者区分と金融再生法開示債権の関係>

自己査定の債務者区分 金融再生法開示債権
破綻先 破産更生債権及びこれらに準ずる債権
実質破綻先
破綻懸念先 危険債権
要注意先

要管理先


要管理債権
正常債権
その他要注意先
正常先

※金融再生法開示債権の開示対象は、「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」、「危険債権」、「要管理債権」です。


参考として、金融機関のおおよその各債権の保全率(担保保証、貸倒引当金の合計)は、「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」は100%、「危険債権」は60%~100%、「要管理債権」は30%~100%です。
「破産更生債権及びこれらに準ずる債権」は、担保保証でカバーされない部分は貸倒引当金でカバーされ、合計で必ず100%保全されます。
「危険債権」や「要管理債権」の保全率は各金融機関により差があります。ここを見ることにより、金融機関の健全性を図ることができます。
担保保証でカバーされない部分を貸倒引当金でどれだけカバーしているかを見て、合計でより100%に近い保全率の高い金融機関の方が健全率が高いと言えます。
※貸倒引当金については、「債務者区分と分類債権」をご覧ください。


このことからわかるように、金融機関は融資をする際に、その融資金が金融再生法開示債権の開示対象とならない債権(正常債権)となる、「正常先」「その他要注意先」を主に融資対象先とします。