創業時に利用できる日本政策金融公庫の融資を紹介します。
創業期の方(新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方)は、営業実績が乏しいなどの理由により資金調達が困難な場合が少なくなく、日本政策金融公庫の国民生活事業では、新規開業・スタートアップ支援資金をはじめとした創業融資を通じて、幅広い方の創業・スタートアップを重点的に支援しています。
<目 次>
(1)国民生活事業「新規開業・スタートアップ支援資金」融資条件
(2)主要利率(基準金利・特別金利)一覧
(3)融資を受けるまでの流れ
(1)国民生活事業「新規開業・スタートアップ支援資金」融資条件
融資対象 |
新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 ※「新たに営もうとする事業について、適正な事業計画を策定しており、当該計画を遂行する能力が十分あると認められる方」に限る。なお、創業計画書の提出により事業計画の内容を確認されます。
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資金使途 |
運転資金・設備資金 |
融資限度額 |
7,200万円(うち運転資金4,800万円) |
融資利率 |
【基準利率】 ただし、次の要件に該当する方が必要とする資金(原則として土地にかかる資金を除く)は【特別利率】 ※融資後に利益率や雇用に関する一定の目標を達成した場合、利率を0.2%引き下げる「創業後目標達成型金利」がある
【特別利率A】 ただし、次のいずれかに該当する方は【特別利率B】 ・下記3に該当する女性の方 ・下記3に該当する35歳未満の方 ・下記5に該当する過疎地域で新たに事業を始める方 ・下記6に該当する過疎地域で新たに事業を始める方 1.女性の方、35歳未満または55歳以上の方 2.外国人起業活動促進事業における特定外国人企業家の方で新たに事業を始める方 3.創業塾や創業セミナーなど(産業競争力強化法に規定される認定指定創業支援等事業)を受けて新たに事業を始める方 4.「中小企業の会計に関する基本要領」または「中小企業の会計に関する指針」を適用するまたは適用する予定の方であって、自ら事業計画書の策定を行い、認定経営革新等支援機関による指導および助言を受けている方 5.地域おこし協力隊の任期2年目以降の方または任期終了後1年以内の方であって、同隊として活動した地域で新たに事業を始める方 6.Uターン等により地方で新たに事業を始める方(東京圏(東京都、埼玉県、千葉県および神奈川県)のうち条件不利地域以外に居住または勤務している方が東京圏以外の道府県または東京圏の条件不利地域で新たに事業を始める場合に対象)
【特別利率B】 7.日本ベンチャーキャピタル協会の会員(賛助会員を除く)等または中小企業基盤整備機構もしくは産業革新投資機構が出資する投資事業有限責任組合等から出資を受けている方(見込まれる方を含む) 8.新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用した企業支援金の交付決定を受けて新たに事業を始める方
【特別利率C】 9.新しい地方経済・生活環境創生交付金を活用した企業支援金および移住支援金の両方の交付決定を受けて新たに事業を始める方
【特別利率A・B・C】 10.技術・ノウハウ等に新規性が見られる方 次のいずれかの事業を行う方が対象 (1)他企業において利用されていない知的財産権に係る技術を利用して行う事業 (2)SBIR制度における指定補助金または特定新技術補助金等の交付決定を受けて、開発した技術を利用して行う事業 (3)新規中小企業者(エンジェル税制の一定の要件を満たす方)が行う事業 (4)国の技術ニーズに関するフィージビリティスタディ調査等を踏まえて研究開発に取り組む事業 (5)J‐StartupプログラムまたはJ‐Startup地域版プログラムに選定された方が取り組む研究開発やその事業化に関する事業 (一定の要件を満たす方は特別利率、満たさない方は基準利率となる)
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融資期間 |
運転資金10年以内(据置5年以内含む) 設備資金20年以内(据置5年以内含む)
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担保 |
希望を伺いながら要相談 |
保証人 |
希望を伺いながら要相談 |
併用できる特例制度 |
〇経営者保証免除特例制度 ・主要利率一覧の4.経営者の保証を不要とする融資を利用される方を参照してください 〇創業支援貸付利率特例制度 ・新たに事業を始める方または事業開始後税務申告を2期終えていない方 ・貸付利率 各融資制度に定める利率 -0.65% ただし雇用の拡大を図る場合は、各融資制度に定める利率 -0.90% 〇設備資金貸付利率特例制度(東日本) ・次の融資制度で設備資金を利用される方であって、福島復興再生特別措置法に定める避難指示・解除区域が所在した市町村において雇用の維持または拡大を伴う設備投資を行う方 (1)一般貸付 (2)特別貸付 (3)マル軽融資(小規模事業者経営改善資金) (4)生活衛生貸付(生活衛生改善貸付を含む) (5)東日本大震災復興特別貸付 ・貸付利率 各融資制度に定める利率 -0.50% ※利率の下限は0.30%(一部制度は0.05%) 〇賃上げ貸付利率特例制度 ・新たに事業を開始後3か月以上の事業者であって、雇用者給与等支給額の総額が最近の決算期と比較して2.5%以上増加する見込みがある方 ・貸付利率 各融資制度に定める利率 -0.50%(貸付の日から2年間) ※利率の下限は0.30%
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(2)主要利率(基準金利・特別金利)一覧
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基準利率 |
特別利率A |
特別利率B |
特別利率C |
特別利率E |
特別利率J |
特別利率N |
特別利率P |
特別利率Q |
特別利率R |
特別利率U |
1.無担保で融資を利用される方 (1)税務申告2期終えている方
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2.80~3.80% |
2.40~3.40% |
2.15~3.15% |
1.90~2.90% |
1.40~2.40% |
1.75~2.75% |
2.50~3.00% |
2.60~3.30% |
2.40~2.90% |
2.60~3.10% |
2.30~2.80% |
(2)税務申告2期終えていない方 |
2.90~3.90% |
2.50~3.50% |
2.25~3.25% |
2.00~3.00% |
1.50~2.50% |
1.85~2.85% |
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2.70~3.40% |
2.50~3.00% |
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2.有担保で融資を利用される方 |
1.80~3.40% |
1.40~3.00% |
1.15~2.75% |
1.00~2.50% |
1.00~2.00% |
0.85~2.35% |
1.50~2.60% |
1.60~2.90% |
1.40~2.50% |
1.60~2.70% |
1.30~2.40% |
3.災害貸付、東日本大震災復興特別貸付、新型コロナウイルス感染症特別貸付、令和2年7月豪雨特別貸付または令和6年能登半島地震特別貸付を利用される方 |
1.95~2.95% |
1.55~2.55% |
1.30~2.30% |
1.05~2.05% |
1.00~1.55% |
0.90~1.90% |
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1.75~2.45% |
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4.経営者の保証を不要とする融資(経営者保証免除特例制度)を利用される方 |
上乗せ利率 |
(1)「経営者保証免除特例制度」を利用される方 前1~3に掲げる利率に、次表の利率が上乗せされる
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・次のいずれかの要件を満たす方 ①直近2期の決算期において減価償却前経常利益が2期連続して赤字でないこと ②直近の決算期において債務超過となっていないこと
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0.30% |
・次のいずれの要件も満たす方 ①直近2期の決算期において減価償却前経常利益が2期連続して赤字でないこと ②直近の決算期において債務超過となっていないこと ・取引金融機関において代表者保証の免除に関する協調対応が見込める方または取引金融機関から代表者保証を免除された借入の残高がある方 ・新たに事業を始める方または税務申告を2期終えていない方
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0.20% |
・新規開業後おおむね5年以内であって、次のいずれかの事業を行う方 ①知的財産権等を活用した事業 ②特定の補助金を活用した事業(ものづくり補助金等) ③VC・ファンドから出資を受けた事業 ④エンジェル税制対象企業が行う事業 ⑤J‐StartupプログラムまたはJ‐Startup地域版プログラムに選定された企業が行う時業 ⑥事業再構築補助金を活用した事業 ⑦新たな技術・サービス支援資金を活用されるNPO法人の方 ・ソーシャルビジネス支援資金を利用されるNPO法人の方
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0.10% |
・十分な物的担保の提供がある方 ・事業承継・集約・活性化支援資金を活用される方
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上乗せなし |
・上記以外の方 |
0.20% |
(2)「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を利用される方 |
利率の上乗せはない (注)法人と経営者との一体性の解消が図られていることなど、一定の要件がある
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(3)融資を受けるまでの流れ
1.必要書類を揃えて、支店窓口、郵送、インターネットで融資の申込をします。
2.担当者と面談します。店舗や工場を訪問することもあります。
3.融資の決定があると手続きの案内があります。
4.契約手続きの完了後、融資金が銀行等の金融機関の口座へ送金されます。
(融資金が送金されるまでに、金融機関で口座開設をしておく必要があります)
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日本政策金融公庫は、一般の金融機関が行う金融を補完する政策金融機関として、民間金融機関と連携し、中小企業・小規模事業者等に支援を行っています。
具体的には、必要な資金を融資するのに金融機関単独では難しい場合、日本政策金融公庫と民間金融機関が協調して融資することで、不足額を補うことができ、またリスクも分散することができます。融資を受ける側からすると、協調融資で融資金額が増える可能性があります。一方、注意点があるとすれば、融資申込みを民間金融機関と日本政策金融公庫の両方に行う必要があるため、手間が増えることと審査に時間を要することがあります。