神奈川県内、東京都内の「メインバンク(㈱帝国データバンクの調査)」「信用保証協会の取扱金融機関(中小企業庁が公表している統計資料)」の調査・統計資料からわかること

(1)神奈川県内では、「メインバンク」は、個別にみれば「横浜銀行」のシェアが高いこと、業態別にみれば「信用金庫」のシェアが高いことがわかります。なお、横浜市内で見れば、横浜銀行と横浜信用金庫のシェアが高いことがわかります。
一方、融資実績である「神奈川県内にある3つの信用保証協会の取扱金融機関」を見てみると、圧倒的に「信用金庫」の取扱件数が多いことがわかります。このことから、信用保証協会付の融資(制度融資等)を利用する場合、中小企業者は事業所が所在する地域を営業地域としている「信用金庫」を選んでいる、または「信用金庫」が信用保証協会付の融資(制度融資等)を中小企業者に積極的に推進していることが推定されます。
(2)東京都内では、「メインバンク」は、業態別にみれば圧倒的に「都市銀行」のシェア、特に都市部のシェアが高いことがわかります。一方、融資実績である「信用保証協会の取扱金融機関」を見てみると、神奈川県と同様に、圧倒的に「信用金庫」の取扱件数が多いことがわかります。このことから、信用保証協会付の融資(制度融資等)を利用する場合、中小企業者は事業所が所在する地域を営業地域としている「信用金庫」を選んでいる、または「信用金庫」が信用保証協会付の融資(制度融資等)を中小企業者に積極的に推進していることが推定されます。
以上からわかることは、
融資にあたって、「都市銀行」は信用保証協会の利用が少ない、「信用金庫」は信用保証協会の利用が多いということです。つまり「都市銀行」をメインバンクとしている企業は、主に大手・中堅企業で信用力を背景にしてプロパー融資(銀行が直接融資すること・保証協会の保証無)を多く利用しているものと推定されます。実際、東京都の千代田区、港区、中央区の都市部ではこういった大手・中堅企業が集中しており、メインバンクを「都市銀行」としている企業が多くなっています。
「信用金庫」をメインバンクとしている企業は、主に小規模・零細・個人事業者で、信用力が乏しいため信用保証協会による保証を背景に融資を受けているものと推定されます。「信用金庫」は営業地域が一定の地域に限定されているため、都市部から離れて「都市銀行」が少ない地域では、「信用金庫」のシェアが高くなる傾向にあります。実際、多摩地区では、多摩信用金庫が1番のシェア、横浜では横浜信用金庫が2番のシェアとなっています。
こういったことから、小規模・零細・個人事業者で所在地が都市部でなかったり、創業期の信用力が乏しい時期は、「信用金庫」との融資取引を最初に検討することがベストと思われます。
※「信用力」を図る「ものさし」は、一言でいえば「支払い能力」です。決算の内容や経営者の経営能力・人間性が良いことはもちろんですが、その他に、
・返済できるキャッシュが潤沢にある
・担保として提供できる預金や不動産を所有している
・預金や不動産を所有している有力な保証人がいる
など、「支払い能力」を具体的に目に見える形で把握することができるものがあります。
※「信用保証協会」は、「信用保証協会法」に基づき内閣総理大臣と経済産業大臣から設立の認可を受けた法人で、市を単位として4協会、都道府県を単位として47協会、全国で51協会あります。なお、神奈川県には、神奈川県信用保証協会、横浜市信用保証協会、川崎市信用保証協会の3協会があります。
信用保証協会は、中小企業者が金融機関から融資を受ける場合、その借入債務に係る債務を保証(公的保証人)し、中小企業者の事業資金調達が円滑になるよう経営支援しています。
保証の申込を受けた信用保証協会は、信用調査と審査を行いますが、新規申込先は、加えて事業所への訪問が行われます。
保証承諾を決定すると、金融機関宛に「信用保証書」が発行されます。
保証承諾を受けて金融機関は融資をしますが、この際所定の信用保証料を支払います(制度融資は一部融資を除き自治体より保証料の補助があります)。
※「信用金庫」とは
信用金庫は、地域の方々が利用者・会員となって互いに地域の繁栄を図る相互扶助を目的とした協同組織の金融機関(非営利法人)で、主な取引先は中小企業や個人です。営業地域は一定の地域に限定されており、、融資は原則として会員(法律で会員となる資格が定められています)を対象としています(預金は制限なし)。一方、銀行は、株式会社であり、株主の利益が優先されます。また大企業を含む全国の企業等との取引が可能です。