知っておきたい法的なこと編

信用情報に大きく影響することをお伝えします。

金融機関の担当者がマークする法的なことです経営が困難になります

税金の滞納、税務調査と差押え

税金の滞納が発生していて督促状を無視している場合、税務署や自治体は、会社の帳簿だけでは正確な情報が手に入らないと判断すると、金融機関の取引内容を調査します。
方法は、「臨場する」方法と「文書で照会する」方法がありますが、ほとんどが「文書で照会」してきます。


金融機関はこういった調査を拒否することはできませんので、照会内容について回答することとなります。私が本部で見てきた照会の数は毎日相当数ありました。従業員から預かっている社会保険料の滞納、売上時に徴収した消費税の滞納、所有している不動産の固定資産税の滞納による照会がとても多かった印象です。


ここで気を付けておかなければならないことは、「税務調査」は単なる調査ではありません。ずっと督促状を無視していると、「預貯金の差押え」や「不動産の差押え」をされます。
融資取引のある金融機関の預貯金や担保不動産に差押えがあると期限の利益の喪失事由となり、以後追加融資を受けることができなくなります。
会社の事業を安定的に運営していくためには、税金の滞納だけは絶対にダメです。


M資金

昨今、特殊詐欺事件がニュースなどで報道されていますが、昔からある詐欺事件で「M資金」というのがあります。この「M資金」を語る人に金融機関の人間で実際に会ったことがある方はそうはいないと思います。(M資金の詳細はネットで検索できます)


ある日、初老の男性が窓口に訪ねてきて支店長に会いたいと言ってきました。実際会ったところ、
戦後にGHQが日本から接収したお金がアメリカにあってそのお金を日本に移したい、ついては預かってくれるところを探しているとの話でした。預けたいお金は30億円です。普通だったら金融機関は大喜びです。しかし、金融機関は「マネーロンダリング」対策として、多額の現金などの取引については取引内容や目的について詳細に確認をします。「M資金」のような、取引の相手方(アメリカ政府?)や原資(日本政府のお金?)について不明瞭な点があればお断りをします。


新聞などの報道によると、実際にだまされた方は、お金を移すのに先に手数料が必要と言われ多額のお金をだまし取られています。今回30億円はお預かりできないと丁重にお断りしてお帰りいただきましたが、昔はスマホなどなかったので実際に会ってだます手口が主流でした。


現在は、AI加工したビデオ通話など、実際に会ってもいないのに信用させてしまう詐欺事件が多くなった印象です。直接会えば違和感を感じてだまされることは少なくなると思います。そのようなこともあり、私個人の信条は、何事も必ず自分の目で見て確認することとしてます。


いずれにしても、詐欺を行うと、信用情報が共有されて取引ができなくなります。詐欺は絶対にいけません。


融通手形

融通手形とは、実際に商取引をしていないのに、資金を調達するために振り出す手形のことです。
資金繰りが厳しい会社が、相手にお願いして手形を振り出してもらって、その手形を取引する金融機関に持ち込み割り引いて資金調達をします。融資を受けたことと同じことになります。
手形を振り出した会社は、手形の期日に手形を決済する必要がありますが、お願いしてきた会社からお金をもらわなければ決済できない可能性があります。


ある日、手形を割引してほしいと建設会社の社長が来店しました。
手形は通常であれば期日に決済できるので対応してもいいのではと思いますが、もしそれが期日に不渡りとなったらどうなるか考えなければいけません。当然振り出し先の会社の状況は調べることになります。
その会社の社長は、なぜか振り出し先の会社の決算書を持っていました(普通はそんなことはありません)。
その決算書には実際に商取引がある様子が記載されていないので確認すると、新しく工事を受注した先との説明をされました。請負契約書も持っていました。これはその手付の手形とのことでした。
しかし、とてもお互い工事を発注したり受注できるような財務状況ではなく、書類も整い過ぎているので、単刀直入に「実際に工事はないですよね」と訪ねたところ、何も言わずそのままお帰りになられました。


私の経験上で、このようにストレートに融通手形の持ち込みを見たのは初めてでした。
融通手形を始めると、手形を振り出した会社、お願いした会社、両方とも必ず倒産に向かって進んでいきます。絶対にしてはいけません。