
金融機関の担当者がお店に来てくれたからとタダにするのはいけません。
取引先の料理店で数人で食事をした時のことです。お店の若い社長が「食後のコーヒーはサービスします」と私たちに言ったとたん、奥にいた会長(社長の父親です)が「そんな失礼なことを言ってはいけない、お代は頂きなさい」と一蹴されました。商売は商売、きちっと線引きをしました。そうですよね。サービスばかりしていたら利益が出ません。
金融機関の担当者としては、赤字となっては困ります。会長の言うことは最もです。
金融機関の担当者は不思議と飲むのが好きな方が多いです。
暑気払いや忘年会、新年会など金融機関も宴会を行います。そんな時、使うお店は取引先です。ただ予算が厳格に決められています。例えばそんな時、飲み放題込みで〇,〇〇〇円のお店があれば必ず使いたくなります(ただし、利益度外視の金額設定はよくありません)。またこのお店の売りはこれというのがあれば興味が湧きます。
金融機関の接待の場合、当然新規のお客様を連れてきてもらえます。リピートが期待できます。
ミシュランガイドは覆面でレストランを評価するので有名ですが、金融機関もいろいろな目的で飲食店を調査をすることがあります。
本部にいた頃、ある割烹店の債務者の格付を見直す必要があり、繁盛状況など実態を確認するのに覆面で予約をして訪問したことがあります。しかし、30分位で素性がばれてしまいました。カウンター越しに社長とおぼしき方と話をしていたのですが、どうも雰囲気が金融機関の人間と察したらしく直球で取引先の金融機関の方ですかと確認されました。向こうも接客のプロです。脱帽しました。
その後は、あくまでもお店に来た普通のお客としてお互い接して食事は終了しました。
調査結果ですが、お店は相当繁盛しており、債務者の格付をワンランク上に見直しても大丈夫と判断しました。